ツバメ、第二次子育ての失敗
7月28日、巣を見てまたびっくり。
俄かには信じがたい、巣の状態でした。せっかくの改装が、数日のうちに裸にされたようです(写真1)。 (写真1)
足元周辺に注意を払うと、その材料として使われていたそれらしきものが見つかりました(写真2)。 (写真2)
何が起こったのか――。
場所は体育館のピロティ、三方向に吹き抜けている空間のほぼ一番奥に作られた巣です。
人の手の届く高さではありませんし、いたずらをされたとは思えません。ツバメの行なった作業に、自然に落下するような手抜かりがあったとは考えにくいですし……。
強い風が入り込み、吹き上げて飛ばしたとも思えません。
天敵の仕業とすると、、、
写真3をご覧になってください。黄色い丸印の中に、該当する巣があります(10月19日撮影)。 (写真3)
壁伝いに辿り着けるでしょうか。
前回までの写真には、ツバメが止まっているワイヤーロープや配管が写っています。これらを利用して巣に近寄れるかどうか――。
まずネコは敷地内で見たことがありません。仮に壁を登ったとしても巣には行けません。水平方向に移動した途端に落下します。
ヘビはたまに目撃されていますが同じく、仮に壁を登ったとしても巣には行けません。水平に移動できる距離ではないでしょう。
スズメがツバメを巣から追い出すことがあるそうですが、ピロティよりも巣をつくりやすい隙間が2階部分にあり、実際にそこでスズメは子育てをしていますから、これも考えにくいです。
残るはカラスでしょうか。人の気配がない時に、でしょうか。
ワイヤーロープや配管の通っている場所からは、陰になっていますし、どのみち下から巣に向かわなくてはなりません。ホバーリングできないカラスは、巣の見える側から上昇するしか手はないでしょう。
しかし最大の疑問は、まだ雛がいない巣にカラスがやって来て、枯れ草をきれいに取っていくでしょうか。
* * * * * * * *
ここまでツバメについて、何度か記してきましたが、もう一つどうしても触れたいことがあります。
次回に改めて――。
ツバメ(ヒルンド・ルスティカ)の再来
7月20日、ツバメの姿をまた見ることができました(写真1)。しかもそれは6月に使われていた巣のすぐそばです。
[※写真1,2はスマートフォンによる撮影] (写真1)
6月に雛の巣立ちが見られた巣は、こんな感じでした。(写真2)。 (写真2)
◎巣が改装された!
7月24日、巣の下に立って、びっくりしました。巣は改装され、イメージチェンジが図られていたのです(写真3)。 (写真3)
もちろん、ツバメが意識的にイメージチェンジしたのではないでしょう。草はちょうど敷地内に刈り取られてあったものを使っています。ここまで垂れ下がっているのは個人的に初めて見ました。神奈川県東部の市街地で日常、見かけることは今までにもありませんでした。 巣作りの材料としては珍しいわけではないのかもしれません。おそらく、巣作りの時期に周辺部で草刈りがされ、それがしばらく置かれている状況があれば、ツバメはその刈り取られた草を利用するのではないかと思われます。
それにしても、この場所には他にもここ何年かに作られた巣がいくつもあります。現在まで残って来た状態のちがいはあるにしろ、一度使われた同じ巣が、およそ一か月後に再び子育ての場に選ばれたのはどうしてなんだろう……、と考えていました。(あ、今も考え中です)
そうして、第二次の子育てが始まるとばかり思っていたのです――。
ツバメ(ヒルンド・ルスティカ)の巣立ち
8月17日付のブログで紹介した6月14日の巣の続きです。
写真は撮っていませんが、翌日の6月15日に巣を見たときにはツバメの姿はありませんでした。もしかしたらもう巣立ったのかもしれない、と思ったのですが、その後6月18日(写真1)、6月26日(写真2)に巣の下から見ていても、やはり気配がありませんでした。設置した「ツバメのおトイレ」の中に新しい糞が見当たらないことから、14日が見納めとなったのでした。
(写真1)
(写真2)
けもの道
森の手入れとして、下草刈り、とはいってもほぼササに覆われているといっていいほどなので、笹刈りを進めていきます。
その最中に気づくのが、何やら細い空間です。
そこだけササも、稈(かん)がまばらです。人が立ち入ったにしては、空間の幅が狭かったり、丈が低かったりしています。
そのような空間ができるとすると、何か人以外の動物が歩いた、しかも割と頻繁に通らなければ、下草に覆われてしまうはずです。ササは伸びが早いですし、筋状の痕跡が見て取れなくなるのも、長い歳月を必要とはしません。
動物のどの程度の体重で、ササの伸びが抑制されるのかわかりませんが、何者かが通っていて道が出来ていると考えてよいのではないかと思います。
この辺りで哺乳類となると、一番大きくてタヌキでしょう。タヌキは数年前、グラウンドでも親子連れが目撃されています。壁際に糞をかけられて困った話を聞きました。
今年の春までに実際、私も林縁で見かけています。ただ、その個体はタヌキのイメージとは程遠い、身体が細く、毛が白っぽくパサついた、一見、何だかわからない動物でした。
私が実際に目にしたことのある哺乳類は、このタヌキとタイワンリス、そして森の小道で死んでいたのを見つけたヒミズの3種類だけです。
近所から森にイヌやネコが入り込むことはまずないと思われます。よく話に出てくるのはハクビシンですが、個人的には「?」です。以前、別の所で白骨化しかけたミイラをハクビシンじゃないかと何人かの人がいうのを見たことがありますが、それはイヌでした。
三浦半島のほうから北上して関東地方に広がり、おそらく対策を施すにはすでに手遅れといわれるアライグマは、話にも聞きません。
他にイタチ科の動物の名前が挙がることはありますが、証拠となるものがないので、ここで考えられるのは、今のところタヌキだけです。
さて、どのようなものかを写真でご覧いただきましょう。
けもの道と思われる部分には、踏み込む前に撮影しています。ササ等を刈り進めていく途中で見つけていますので、けもの道自体は残していますが、その周辺や上を覆っているものは刈り取っていたりします。
(写真1)
(写真2)
写真3は、ヤツデの下に、道幅よりも明らかに広くなった空間を見つけました。休息場でしょうか。
(写真3)
写真4~6には、プラ容器や人の履物が落ちています。このようなものは、めったにないのですが、あればルートの一部に利用しているのだと思いました。
(写真4)
(写真5)
(写真6)
こうした生活の道を見つけると、姿は見えなくとも、生きものを肌で感じ、何だか自分の意識が新しくなるのが不思議です。
ヒルンド・ルスティカも子育て
コシアカツバメの話が続きましたが、この時期、ツバメ(Hirundo rustica,ヒルンド・ルスティカ)も、一番(ひとつがい)が子育てをしていました。巣は以前作られたいくつかあるうちの一つを、再利用していました(写真1)。
(写真1:6月14日午後)
写真2は、その巣に出入りしていた一羽です。
(写真2:6月14日午後)
ここで思い浮かんだのは、あの時カラスに挑んだツバメの種類は、いったいどちらだったのかということです。共同戦線を張ったということもあり得るのか、今となっては残念ながらわかりません。
コシアカツバメ、撮れて満足
6月18日午後、見に行ってみると、ツバメが周回しています。ちょっと楽しげに見える、そんな飛び方です。ゆっくりと、しかしツバメらしいスマートさ。メリーゴーランドのようにも見受けられます。
行ったときは、3羽でした。コシアカツバメの巣に近づいたり、ツバメ(Hirundo rustica)の巣にも近づき1羽が覗き込んでいたので、2種類が混じって一緒に飛んでいるのかと思ったのですが。
カメラを構え始めると、1羽減って2羽になって飛んでいます。やがて、少し離れた所に止まってくれました。薄暗いのでどうしてもストロボを焚かないとなりません。それが光ると一瞬、2羽の身体がビクッと反応するのがわかりました。ありがたいことに警戒されて飛び立ってしまうということはありません。何枚か写真に収めることができました。しかし、ストロボの光が届くには距離があります。少しずつ距離を縮めました。
そして、かつて見覚えのある眼の光が……。コシアカツバメだと思いました。
それが写真1です。 (写真1)
また飛び立ちます。周回を繰り返し、コシアカツバメの巣にも顔を寄せに来たりします。
何分かしたとき、巣を見上げると出入り口に何か見えます。雛でした(写真2)。 (写真2)
そこへまもなく飛んできた、コシアカの決定的な写真を撮ることができました(写真3)。 (写真3)
数分後には雛とーー(写真4)。雛はちょうど、用を足そうとお尻を出してきました。 (写真4)
飛んでいる2羽が親子なのか、番(つがい)なのか、巣立ったばかりの子どもたちなのか、現時点で私には判断できませんが、何回か周回してはまたロープの所に止まってくれます。
今回最大限近づいて、当然ズームアップして、比較的見やすく撮らせてもらえたのが写真5です(トリミングはどの写真もしています)。 (写真5)
最後の写真6は、巣に飛んで帰って来たところです。 (写真6)
結局、今回も三脚の用意もせず、連写もしなかったのでした。
コシアカツバメ糞闘?記
ブログ更新、日が空いてしまいました。ツバメに関して、時系列で追ってみたいと思います。
ただ、今回はツバメの糞ばかりですので、ご承知おきを。
6月14日に、コシアカツバメの巣の下を確認しました。それが写真1です。
写真1:左側が南方向。この真上にある巣の向きも出入り口が南方向を向いている。
この写真の撮影前に、コンクリートの床の部分がいつ清掃され、どのくらいの時間が経ったのかはわかりません。 「結構、掃除しています」と、部活動の子たちが言っていましたから、雛(ひな)はかなり生育しているはずです。
部活動の子たちは、糞に関して私に、汚いとか、片づけるのが面倒くさいなど、いわゆる糞害を口にすることはありませんでした。頃合いを見て片づけてきたようです。
街中の巣に対しては、糞対策として、巣を外すということがあるようです。糞が下を歩く人にかからないようにしたり、糞の片づけが楽な、いい方策がないものでしょうか。
検索でざっと見たところでは、使いやすく風景に溶け込みやすい、こ洒落た(こじゃれた)ものが見受けられませんでした。今の世の中、センスの優れた方が機能性を含めたいいデザインのものを作れるに違いないので、お願いしたいところです。
一方、学校のようなところでは、巣の位置が高く、周りに足場となるようなものもない場所での営巣となると、何かを取り付けるというのは、難しいです。
しかし、多少の手間を省くことはできるだろうと思い、簡易な「ツバメのおトイレ」(写真2)を作りました。発泡スチロールの箱の中に新聞紙を敷き、風で飛ばされないように石のおもりを入れただけのものです。箱の周りには「ツバメのおトイレ」と張り紙をして、分かるようにしました。糞の落ちているエリアを広めに白枠で囲い、糞の集中している場所にトイレを設置することにしました。トイレの設置場所は、箱より少し大きめに同じく白枠で示しました。
白いチョークで二重の四角を描いたわけですが、これは発泡スチロールの箱の大きさではカバーしきれなかったため、そのようにしました。消えてもまた簡単に書き直せます。チョークはやがて消えますので、迷惑はかからないでしょう。
写真2
部活動の子たちがそこの場所を使いたいときは、トイレを移動してもらい、終わったらそこにまた置いてもらう、手軽なものです。試しに始めてみたわけです。
写真3は、設置後の一発目です。
写真3 :16時過ぎ。
数日後――。 6月17日13時半頃のトイレの状態が写真4です。
写真4
これは何羽分のものになるんでしょうか。