磯子高校の森

神奈川県立磯子高等学校にある小さな森を残していきたい。磯子高校の記念としても。

コシアカツバメ…来た!

4月19日の夕方、コシアカツバメの巣のある所へ行ってみました。 まず、巣の下に糞などが落ちていないか探したところ、次の写真の状態が見られました。 (写真1) f:id:akatsukaa:20160518193214j:plain すぐに頭上を見回してみたのですが、姿は確認できませんでした。少し待ってみたものの、巣を出入りする様子も見受けられませんでした。

(写真2) f:id:akatsukaa:20160518192101j:plain でも、巣の下の写真からして、今年もやって来たと思ってよさそうでした。ただし、別の種類の鳥かもしれない、その可能性もこの時点では否定できなかったわけです。

『ツバメの謎―ツバメの繁殖行動は進化する!?』(誠文堂新光社)を読み終えたところでしたので、4月22日だったか、巣の脇の通路で上空を見上げてみると、なんとツバメが数羽、飛んでいるではありませんか。本の中にあったように、本当に近くまで来ていたのです。ツバメの種類はわかりませんでしたが、だんだんと昨年の営巣場所に近づいてきているということを実感しました。自宅近くの駅周辺でも、急にツバメの姿が目に入るようになりました。

そして、5月7日の巣の写真が次のものです。

(写真3) f:id:akatsukaa:20160518193501j:plain 巣の出入り口部分のやや欠けていた部分が修復されています。この巣を利用していることは間違いありません。

ついに5月10日、巣の出入り口で姿を確認しました。撮影目的ではなかったので、カメラを構えるでもなく、あっという間の確認でした。一瞬、ツバメと目が合いました。きらりと光を宿した、以前見覚えのある視線の向け方です。

ただ、100%コシアカツバメかと言われれば、まだ、観察を要する状況にありました。

5月14日、夕方に様子を見に行きました。巣にいるのかどうか、わかりません。他に何個かあるツバメ(Hirundo   rustica,ヒルンド・ルスティカ:ふつうに見かけるツバメのことです)の巣の様子を窺って回った後、またコシアカツバメの巣まで近づいた時、視界の隅にスッーと影が流れました。巣から飛び立っていったのです。

少しその場で待つことにしました。カメラも手にしています。しかし、構えたまま斜め上を向き続けるのは何分も持ちません。やはり三脚が必要だな、と思っていると、音もなく帰って来た(コシアカ)ツバメに気づき、カメラを向けたものの、遅かった……。また出てくるはず、と思い直して、カメラを構えていると、なかなか出てきません。ところが、隙を突くように姿を見せたかと思うと素早く流れるように飛んでいってしまいました。とはいえ、(コシアカ)ツバメが隙を突いてきたわけではありません。こちらがタイミングを計れないだけなのです。数分が経ち、「姿を見ることできたし、今日はあきらめようか」とも思ったのですが、あと5分待ってみよう、それでだめなら引き上げよう、ピントを先に巣に合わせて構図を確認し、来たら構えてすぐにシャッターを押す、そんな風にして待つことにしました。この日は、なんだか感覚的によさそうな気もしていましたし、その時間・その場所の条件も待つにはよかったのです。

壁にもたれ掛かりながら、約5分後、来ました、……ところが巣の奥へ入っていくのが速く、そこへなんと、もう一羽が顔を出したかと思うとあっという間に、飛び立っていきました。残念ながら、写真に姿を捉えられませんでした。とにかく速いのです。こちらの先入観でしょうか、巣の出入り口でいったん、スピードを緩める、あるいは立ち止まり、一拍おいて動くはず、その時がねらい目だと。

ここで見ている限り、本当にあっという間です。でも、ここまでに一つ気づいたことがあります。鳴き声です。姿が現れる少し前に、それらしきものが何度か聴こえるのです。ことばにうまくできませんが、『ツバメの謎』に鳴き声について書かれていたことを思い出し、これはそれかもしれない、次はそれをたよりにして、とにかく影がちらついた時点でシャッターを切ることを考えたのです。 正確な時間は計測していませんでしたが、5~10分の間に出ていくか帰ってくるかをしていましたから、そのくらいを念頭に置きながら待ってみました。

うまい具合にその時間内に鳴き声がし、カメラを構えました。巣へ吸い込まれるような影を感知してシャッターを切りました。そしてまた、巣から影が流れ出た瞬間、シャッターを切りました。そこで驚いたのは、それまで巣の出入り口が向いている方向に帰ってきたり飛び立っていったりしていたものが、こんどは巣から出て左側に向かったのです。その左側下斜め前に私はいましたから、(コシアカ)ツバメの顔を見たのです。瞬間、ストロボの光をもろに浴びせてしまった、との思いも合わせて、きっと「あっ!」と声を上げていたと思います。 その時の写真が次のものです。

(写真4) f:id:akatsukaa:20160518193727j:plain これは、コシアカツバメといっていいでしょうか。自分ではそう思っているのですが。

今回の経験で、一発撮りではなく、連写がいいのだろうと思ったしだいです。