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磯子高校の森

神奈川県立磯子高等学校にある小さな森を残していきたい。磯子高校の記念としても。

極相林と雑木林

横浜において、時の流れに任せて植物の移り変わりを見守っていくと、自然な植生としてはシイやカシが優占する照葉樹林帯となっていく場所です。この状態を極相(クライマックス)といい、森林はほぼ安定的な時期に入り、通常はそれらの植物の集団として持続していくと見られています。

神奈川県東部にある緑地のうち、おもに樹木からなる緑地を考えてみます。かなり面積の広い規模の大きい所は除きます。面積でいえば1ha以下の小規模な緑地について考えてみましょう。

点在する小規模な樹林地のあり方として、なるべく極相に近い形とするのがいいのか、それともかつて人の手が入っていた二次的な自然として、雑木林のような二次林を再生・維持する形とするのがいいのでしょうか。

私の結論は後者です。

ですので、「磯子高校の森」もその形が適していると考えています。

なぜなら、神奈川県東部に点在する小さな緑地を極相状態にしてしまうと、締め出されてしまう生きものが多くなります。それらの生きものの行き場がありません。結果、死滅します。現在、残ってきているものは別として、これから手を施し、維持・存続させていくのなら、二次林であるべきです。そしてなるべくとびとびでも、生きものの移動できる可能性を考慮した残し方が必要でしょう。

横浜市は丘陵地からなっています。一番高い所でも150m台です。大平山(おおひらやま)の尾根に159.4mの部分があり、大丸山(おおまるやま)が156.8m、その次が円海山(えんかいざん)153.3mです。

磯子高校がある丘も、円海山系の北に位置しています。三浦半島を南北に連なる三浦丘陵の北端にあります。三浦丘陵は北に向けて、多摩丘陵と地形的につながっています。かつての様子を航空写真で見ますと、ちょうどこの地形のつながりと緑地部分などがイルカの姿のように見えました。『多摩・三浦丘陵群』と呼ばれる丘陵と台地をあわせたものです。左横向きで、高尾山や八王子方面からイルカのくちばしや頭、川崎市川崎区辺りが背びれ、三浦半島が腹部や尾になぞることができます。1995年6月に「いるか丘陵」の愛称が誕生したと、NPO法人鶴見川流域ネットワーキングのホームページに書かれています。

先ほどかつての様子と言いましたが、残念ながら現在の画像を見ても、今一つピンときません。それだけ開発が続き進んでいるわけです。しかし、このエリアで自然の保全活動をしている人たちは多いのです。

磯子高校の森は小さいながら、イルカの肉体の一部を構成している細胞群です。イルカを蘇生させるために欠かせないと考えています。