磯子高校の森

神奈川県立磯子高等学校にある小さな森を残していきたい。磯子高校の記念としても。

ヤマユリ咲く

磯子高校の森に、ヤマユリが咲きました。現在、たった一株一輪です。

一週間前にはまだ蕾の状態で、花被(かひ)の色が分かりませんでした。それが花開き、ヤマユリの特徴を見せてくれたのです(写真1,2,3)。

f:id:akatsukaa:20170724025044j:plain (写真1)

f:id:akatsukaa:20170724025319j:plain (写真2)

f:id:akatsukaa:20170724025547j:plain (写真3)

これは自生でしょうか、あるいは学校ができる前の雑木林に、人が移植したのでしょうか 。 この辺の事情も何とか、今後手掛かりを見つけていきたいと思っています。

職場の同僚に、かつてヤマユリが咲いていた、ということを知っている人はいません。異動した人たちはどうでしょうか。学校ができて約40年、磯子高校の森に自生していたとしても、今回の場所はふつう、目に付かないでしょう。また、たいていの場合、花が咲く前に下草刈りが行われてきたとすれば、なおさらです。その他の場所にも、かつてヤマユリがあったとして、今はすでに絶えてしまったか、今もまだ地中に眠っているのかは分かりません。少なくとも、ある場所では今年、日光を林床に届きやすく剪定し、笹薮も昨年から何度となく鎌を入れてきた、そこでユリらしき草姿を見つけて、注目していたのです。

よく咲いてくれました。花が見られないと何ユリかがはっきりしません。途中、虫食いに遭いながらも持ち堪え、開花に漕ぎ着けてくれたのです。

花被が4枚しかありませんが、2枚はどうしたのでしょう。花被らしきものは周囲には落ちていませんでした。やはり開花に至るまでに見舞われた虫食いの影響かも知れません。 この一週間に、一度でも足を運んでいれば、もう少しはっきりしたことが言えたでしょうが、それがなかなかできないんですね、残念ながら。でも、そこを何とかして観察できるようにしたいと思います。

それでも、花被2枚が不足するこのヤマユリの開花は、磯子高校の森の価値をまた一つ、気づかせてくれたのです。

なお、ヤマユリは神奈川県の県花です。神奈川県のホームページから引用しておきます。

   掲載日:2016年7月13日

   県の花:やまゆり  1951年(昭和26年)1月23日制定

日本最初の県花として,公ぼ・制定された「ヤマユリ」。ヤマユリが夏ごとに神奈川県の山野にさきみだれるよう,ヤマユリを守り育て,自然を大切にしましょう。

速報!コシアカツバメ再び

速報!としつつも、日付を跨(また)いでしまいました。

前回のブログ記事(糞の写真だけで恐縮です)で、コシアカツバメが巣立ったことをお伝えしたばかりですが、7月9日の午後6時半過ぎ、同じ巣にコシアカツバメが再び入っているのを確認しました(写真1)。

巣のほうに近づき見上げると、薄暗いピロティの天井にある巣の出入り口付近に、昨日は見かけなかった影がぼやっと見えるのです。ここのところ、ほとんど毎日見ているので、気づきやすくなっています。飛んで行ってしまわないうちに、あるいは巣の奥に引っ込まないうちに、写真に収めようと逸(はや)る気持ちを抑えてシャッターを切りました。ありがたいことに顔が写せました。

f:id:akatsukaa:20170710012941j:plain (写真1)

じつは前日の8日午後6時過ぎに、ツバメの巣の様子見にいったのですが(理由は後日に)、ふと振り向いたその時、コシアカツバメの巣辺りからツバメらしき飛影が南側(コシアカツバメの巣の出入り口の向いている方角)へ流れていくのが見えたのです。

その後、短時間のうちには戻って来ませんでしたし、巣の中から鳥の身体の一部分が見えることもありませんでした。飛影からは、ツバメの仲間に違いありません。コシアカツバメあるいはツバメ?

それがわずか一日で判明するとは思ってもいませんでした。

9日の様子見はわずか数分です。新事実(少なくとも自分にとって)を捉えることが、このようなちょっとした自分の行動で得られたりすることに、驚きと新鮮さを感じました。大切なことだな、と自分に言い聞かせています。

コシアカツバメ巣立つ

巣立ちは6月19日(頃)と思われます。

「ツバメのおトイレ」への糞の落ち具合から、推定してみました。写真1は、6月18日午後4時20分頃、写真2は、6月22日午後4時50分頃のものです。6月20日、21日にも短時間、様子見はしたのですが、何となく気配がしないなぁとその時、自分でも感じてはいて、今思えば日ごとに1枚ずつおトイレの写真を撮っていればよかったのですが。

写真1と写真2の黄色で囲った部分が明らかに違っています。新聞紙が内側に曲がり込んでしまって、その下の部分を比較できませんが、仮に新聞紙の端が写真のように糞の上を覆ったのが22日の撮影直前であったとしても、18日から22日の間、新聞紙で隠れた部分に集中的に糞が落ちたとは考えにくいため、写っている部分だけで判断してみました。

じつは巣立ちの日を特定しようとは考えていなかったため、子育てが無事終了した、と見極めた時点で、おトイレは片づけて新聞紙もポリ袋に入れてしまったので、この2枚の写真の比較が、巣立ちを推定するには最も適していたわけです。

6月6日から糞を落とし始めたとして、6月19日まで14日間の出来事でした。

f:id:akatsukaa:20170707055835j:plain (写真1)

f:id:akatsukaa:20170707060205j:plain (写真2)

コシアカツバメの雛・子育て確認

6月9日の夕方、仕事に区切りをつけて、ツバメの様子見に。蚊取り線香を持参。

体育祭が終わり、生徒たちの応援練習による早朝や夕方の賑やかさが収まったため、寄り付く機会を阻まれていたカラスが戻りつつあることでしょう。営巣中のツバメ(ヒルンド・ルスティカ)の巣がカラスに狙われていないか、辺りを見回しながら、ピロティに。

巣は無事でした(写真1) 。 f:id:akatsukaa:20170611045419j:plain (写真1)

そこへ、音も立てずに素早く外へ向かう影が。コシアカツバメの巣のほうからです。そちらに行ってみると、いつの間にか糞が(写真2)。雛がいることは確実です。写真3は、6月6日の夕方のものです。撮った時、あまり気にしていなかったのですが、これが糞落としの始めだった気がしてきました。生徒たちや同僚の話では、8日にはあったということです。目に留まるくらいの量になっていたということでしょう。

f:id:akatsukaa:20170611050002j:plain (写真2:6月9日)

f:id:akatsukaa:20170611050324j:plain (写真3:6月6日)

前回の疑問(親鳥の巣への戻りや飛び立っていく方角、巣からの出方)もあったので、コシアカツバメの側にいると、頻繁に行き来をしていました。2~3分に1度戻っては出ていきます。長くて約5分、この日の観察の終い(しまい)くらいに10分程待ったのが1回ありました。時間間隔の長短は、餌の捕獲にかかる時間だとすれば、かなり捕まえやすい条件だったといえましょうか。

さて、親鳥の巣への出入りですが、前回とは違って、ピロティの東側に飛んで行きまた東側から戻って来る時もあり、東側から戻って来て南側に飛んで行く、南側から戻って来てまた南側に飛んで行く、南側からすぐに巣に入らずにピロティを少し旋回してから巣に入るなど、まるでこちらに意図的に不規則さを示そうとしているかのようでした。雛への給餌の仕方も、すっかり巣の中に入って姿が見えなくなる時と、戻って来たかと思った瞬間に巣の出入り口であっという間に給餌してそのまま飛び立っていくなど、巣での滞在時間にも差がありました。

巣から出てくるときに、外の様子を窺い時間をかけて(とは言っても、実際の時間は1分足らずですが)飛び立っていくところも何度か観察され、撮影もできました(写真4-1~写真5-2)。もしかすると、シャッターを半押ししているときのランプの点灯が、親鳥の行動に影響を与えているのかもしれません。

f:id:akatsukaa:20170611050710j:plain (写真4-1:少しずつ顔を出し始めました) f:id:akatsukaa:20170611051658j:plain (写真4-2:こちらを見ていますね) f:id:akatsukaa:20170611052057j:plain (写真4-3:飛び立とうとしている瞬間です) f:id:akatsukaa:20170611052612j:plain (写真4-4)

f:id:akatsukaa:20170611053238j:plain (写真5-1:写真4-4の約3分後) f:id:akatsukaa:20170611053629j:plain (写真5-2)

親鳥のその他の巣入り、飛び立っていく姿です(写真6-1~写真11)。

f:id:akatsukaa:20170611054018j:plain (写真6-1:写真5-2の約2分後に戻って来ました) f:id:akatsukaa:20170611054307j:plain (写真6-2) f:id:akatsukaa:20170611054719j:plain (写真6-3) f:id:akatsukaa:20170611054855j:plain (写真6-4) f:id:akatsukaa:20170611073117j:plain (写真6-5) f:id:akatsukaa:20170611073437j:plain (写真6-6:写真6-1からここまで1分以内)

f:id:akatsukaa:20170611073808j:plain (写真7-1:戻って来たところ) f:id:akatsukaa:20170611073947j:plain (写真7-2) f:id:akatsukaa:20170611074149j:plain (写真7-3:写真7-1からの3枚はストロボの充電がされるまでの時間間隔に等しい撮影)

f:id:akatsukaa:20170611074317j:plain (写真8)

f:id:akatsukaa:20170611074437j:plain (写真9-1) f:id:akatsukaa:20170611074602j:plain (写真9-2:素早く飛び立つ)

f:id:akatsukaa:20170611074729j:plain (写真10-1:戻って来たところ) f:id:akatsukaa:20170611075636j:plain (写真10-2) f:id:akatsukaa:20170611075323j:plain (写真10-3:すぐに飛び立つ)

f:id:akatsukaa:20170611075836j:plain (写真11)

また、今回は観察中に雛が3度、お尻を出してきました。1度目(写真12)から2度目(写真13)までの時間は約9分、2度目から3度目(写真14)までは約22分。雛が何羽いるのか確認できないので、写真から同じ雛なのか違う雛なのかを見分けられればと思います。

f:id:akatsukaa:20170611080053j:plain (写真12) f:id:akatsukaa:20170611080222j:plain (写真13) f:id:akatsukaa:20170611080339j:plain (写真14)

こうしている間に、ツバメ(ヒルンド・ルスティカ)の巣のほうでは何度も鳴き声がするので、戻って来たことが分かるのですが、それに比べるとコシアカツバメのほうは、どうも鳴き声がしない、あるいは気づきにくい程度のものなのかもしれません。それも雛の成育状態によるのかどうか。

週明け以降、簡易な「ツバメのおトイレ」の設置を予告しておきました(写真15)。

f:id:akatsukaa:20170611080542j:plain (写真15)

観察を終え、ピロティから南側に出ると、上空からツバメらしき鳴き声が聞こえてきます。空を見上げると、けっこうツバメらしき姿が行き交っています。写真16は、ツバメでしょうか。写真17は、コシアカツバメのように思えます。

f:id:akatsukaa:20170611080653j:plain (写真16) f:id:akatsukaa:20170611080752j:plain (写真17)

磯子高校の西側の森の上には、夕暮れの空が広がっていました(写真18)。 f:id:akatsukaa:20170611081050j:plain (写真18)

ツバメの様子を探る

5月22日、コシアカツバメの巣に出入りする目撃情報を得ました。その鳥がコシアカツバメなのかどうか、確認する時間が取れずにいましたので、書類作りにも疲れ、今日はもうやめたとパソコンを閉じた6月1日午後6時、前回のツバメの番(つがい)の様子見と合わせて、カメラを手にピロティに向かいました。この日(昨日のことですが)は朝まで雨が強く降りましたが、その後雨は上がり、少し蒸していました。校内は体育祭に向けて応援練習に励む生徒たちの活発な(これは、決して大袈裟な表現ではなく、また学校をよく見せようなどというつもりもありません。声の反響はかなりのものだったのです。磯子高校の森は、防音林にも役立っているのです。)姿が見られる中、ツバメたちはどうしているだろうかと。

ピロティには体育祭で使われるテントが足を畳んだ状態でいくつか置かれていて、生徒たちの一つの組は、ピロティを東側に出た体育館脇で練習をしていました。当然、ピロティに生徒たちの声はガンガンに響きます。コシアカツバメの巣の下に近づいて眺めていると、ツバメの鳴き声が盛んに聞こえ、巣に戻ってきた姿が見えました。そちらに行ってみると、番(つがい)です(写真1)。

f:id:akatsukaa:20170602061918j:plain (写真1)

一安心して、またコシアカツバメの巣のほうへ。すると間もなく、巣に素早く入り込む、そして素早く飛び出していく姿が見られ、待ち構えることに。

ツバメと違って、コシアカツバメは巣の出入り口に留まっていることはなく、あっという間に巣の奥に入ってしまうか、飛び立っていってしまうので、姿を眼にしてからカメラを構えたのではまず撮影できません。そういえば、昨年もそんなだったことを思い出しました。

5分おきくらいに一度、戻って来ては飛び出していくのを確認、1羽が戻って間もなく、また1羽が戻って来たのも見ました。

コシアカツバメは、どうも後ずさりして巣の外に出てくるように見えるのですが、今度は動画を撮って確認できればと思っています。巣から出て飛んでいく方角は東側に、戻ってくるときは南側からです。巣の出入り口が向いているのが南側です。そのまま南側に飛んで行ってもよさそうなのですが。巣の位置をなるべく察知されないため、などということもあるんでしょうか。

ピロティの吹き抜けは三方向で、東、南、北です。西側は武道場があり、行き止まりです。南北方向に東側から突き当たるT字型をしています。南北方向はどちらかといえば通路です。北側にはグラウンドがあり、防球ネットが張ってあるので、それがツバメのピロティへの出入りに影響していると思われます。

何とか撮りおさめたのが写真2と写真3です。

f:id:akatsukaa:20170602062051j:plain (写真2)

f:id:akatsukaa:20170602062150j:plain (写真3)

ツバメは不思議です。人に飼われているわけではないのに、こんなに賑やかな場所で子育てをしようとしているわけですから。しかし、おかげでカラスの侵入は阻まれているでしょう。ここのところ、早朝から生徒たちは集まって応援練習をしていましたし、下校時刻までよくやっていました。

その体育祭は今日、6月2日です。

体育祭が終わると、ツバメたちにとってカラスとの攻防がまた始まるのでしょう。

結局30~40分くらい観察していて、やはり蚊取り線香を持参すべきでした。

磯子高校を中心とした周辺地域の緑の状況

磯子高校周辺の緑の状況がどうなっているのか、国土地理院の2万5千分の1の地形図を使って色を塗り、自分なりに確かめていくことにしました。

使用した地形図:戸塚 NI―54―258―4(東京8号-4)平成19年5月1日発行1刷

まず緑地に該当する箇所を緑色で塗っていこうと思っていましたが、すぐに方針を変え、先に建物やその密集地を赤色に塗っていくことにしました(写真1)。磯子高校は、上中里町の文字がかかったロの字型の建物がある学校です。

f:id:akatsukaa:20170524231310j:plain (写真1)

道路や鉄道、学校、発電所や工場、何があるのか不明な場所は、塗らないようにしました(はみ出したりはしています)。地形図紙面が少したわんでいるのは愛嬌ということで。

色塗りの範囲には、磯子高校がほぼ中心にあり、北東部に京浜急行線の屛風浦駅(びょうぶがうらえき)、そこから西に行き、笹下五丁目で南西方向へ。横浜横須賀道路に突き当たった所で道路沿いに南下、そして今度は横浜横須賀道路金沢支線に沿って東へ行き沿岸部へ、そして北上して屛風浦駅辺りへという囲み方をしてみました。徒歩をちょっとためらう圏内でしょうか。

さて、この範囲内にどれくらい、ほとんど改変されていない表土層をもつ緑が残されているでしょうか。