磯子高校の森

神奈川県立磯子高等学校にある小さな森を残していきたい。磯子高校の記念としても。

ヒルンド・ルスティカも子育て

コシアカツバメの話が続きましたが、この時期、ツバメ(Hirundo rustica,ヒルンド・ルスティカ)も、一番(ひとつがい)が子育てをしていました。巣は以前作られたいくつかあるうちの一つを、再利用していました(写真1)。

f:id:akatsukaa:20160817024732j:plain (写真1:6月14日午後)

写真2は、その巣に出入りしていた一羽です。

f:id:akatsukaa:20160817024758j:plain (写真2:6月14日午後)

ここで思い浮かんだのは、あの時カラスに挑んだツバメの種類は、いったいどちらだったのかということです。共同戦線を張ったということもあり得るのか、今となっては残念ながらわかりません。

コシアカツバメ、撮れて満足

6月18日午後、見に行ってみると、ツバメが周回しています。ちょっと楽しげに見える、そんな飛び方です。ゆっくりと、しかしツバメらしいスマートさ。メリーゴーランドのようにも見受けられます。

行ったときは、3羽でした。コシアカツバメの巣に近づいたり、ツバメ(Hirundo rustica)の巣にも近づき1羽が覗き込んでいたので、2種類が混じって一緒に飛んでいるのかと思ったのですが。

カメラを構え始めると、1羽減って2羽になって飛んでいます。やがて、少し離れた所に止まってくれました。薄暗いのでどうしてもストロボを焚かないとなりません。それが光ると一瞬、2羽の身体がビクッと反応するのがわかりました。ありがたいことに警戒されて飛び立ってしまうということはありません。何枚か写真に収めることができました。しかし、ストロボの光が届くには距離があります。少しずつ距離を縮めました。

そして、かつて見覚えのある眼の光が……。コシアカツバメだと思いました。

それが写真1です。 f:id:akatsukaa:20160811025257j:plain (写真1)

また飛び立ちます。周回を繰り返し、コシアカツバメの巣にも顔を寄せに来たりします。

何分かしたとき、巣を見上げると出入り口に何か見えます。雛でした(写真2)。 f:id:akatsukaa:20160811025320j:plain (写真2)

そこへまもなく飛んできた、コシアカの決定的な写真を撮ることができました(写真3)。 f:id:akatsukaa:20160811025350j:plain (写真3)

数分後には雛とーー(写真4)。雛はちょうど、用を足そうとお尻を出してきました。 f:id:akatsukaa:20160811025424j:plain (写真4)

飛んでいる2羽が親子なのか、番(つがい)なのか、巣立ったばかりの子どもたちなのか、現時点で私には判断できませんが、何回か周回してはまたロープの所に止まってくれます。

今回最大限近づいて、当然ズームアップして、比較的見やすく撮らせてもらえたのが写真5です(トリミングはどの写真もしています)。 f:id:akatsukaa:20160811025445j:plain (写真5)

最後の写真6は、巣に飛んで帰って来たところです。 f:id:akatsukaa:20160811025507j:plain (写真6)

結局、今回も三脚の用意もせず、連写もしなかったのでした。

コシアカツバメ糞闘?記

ブログ更新、日が空いてしまいました。ツバメに関して、時系列で追ってみたいと思います。

ただ、今回はツバメの糞ばかりですので、ご承知おきを。

6月14日に、コシアカツバメの巣の下を確認しました。それが写真1です。

f:id:akatsukaa:20160803214400j:plain 写真1:左側が南方向。この真上にある巣の向きも出入り口が南方向を向いている。

この写真の撮影前に、コンクリートの床の部分がいつ清掃され、どのくらいの時間が経ったのかはわかりません。 「結構、掃除しています」と、部活動の子たちが言っていましたから、雛(ひな)はかなり生育しているはずです。

部活動の子たちは、糞に関して私に、汚いとか、片づけるのが面倒くさいなど、いわゆる糞害を口にすることはありませんでした。頃合いを見て片づけてきたようです。

街中の巣に対しては、糞対策として、巣を外すということがあるようです。糞が下を歩く人にかからないようにしたり、糞の片づけが楽な、いい方策がないものでしょうか。

検索でざっと見たところでは、使いやすく風景に溶け込みやすい、こ洒落た(こじゃれた)ものが見受けられませんでした。今の世の中、センスの優れた方が機能性を含めたいいデザインのものを作れるに違いないので、お願いしたいところです。

一方、学校のようなところでは、巣の位置が高く、周りに足場となるようなものもない場所での営巣となると、何かを取り付けるというのは、難しいです。

しかし、多少の手間を省くことはできるだろうと思い、簡易な「ツバメのおトイレ」(写真2)を作りました。発泡スチロールの箱の中に新聞紙を敷き、風で飛ばされないように石のおもりを入れただけのものです。箱の周りには「ツバメのおトイレ」と張り紙をして、分かるようにしました。糞の落ちているエリアを広めに白枠で囲い、糞の集中している場所にトイレを設置することにしました。トイレの設置場所は、箱より少し大きめに同じく白枠で示しました。

白いチョークで二重の四角を描いたわけですが、これは発泡スチロールの箱の大きさではカバーしきれなかったため、そのようにしました。消えてもまた簡単に書き直せます。チョークはやがて消えますので、迷惑はかからないでしょう。

f:id:akatsukaa:20160803224029j:plain 写真2 

部活動の子たちがそこの場所を使いたいときは、トイレを移動してもらい、終わったらそこにまた置いてもらう、手軽なものです。試しに始めてみたわけです。

写真3は、設置後の一発目です。

f:id:akatsukaa:20160803224137j:plain 写真3 :16時過ぎ。

数日後――。 6月17日13時半頃のトイレの状態が写真4です。

f:id:akatsukaa:20160803224246j:plain 写真4

これは何羽分のものになるんでしょうか。

ツバメ、カラスに挑む

昨日(6月6日)の目撃談です。

磯子高校の東側の森と体育館、プール、ログハウスに囲まれたところでの出来事です。

二種類の鳥の鳴き声とともに、ただならぬ様子の飛び方をした鳥たちの姿が目に入って来ました。

カラスと小鳥、小鳥は三羽です。カラスに追われているのかと一瞬、思いました。小鳥はその尾からツバメとわかりました。まもなく事情がちがうことに気づきました。追われているのはカラスなのです。カラスを追う三羽のツバメたち。カラスが嫌がっている、それが見て取れたのです。

最大の驚きが次の瞬間に起こりました。なんとツバメ三羽のうちの一羽が、空中でカラスに攻撃を加えたのです!

背中のあたりをつついたのか、あるいは蹴ったのかはわかりませんでしたが、カラスはその直後、振り向きざまに少し仰け反りました。X状攻撃を仕掛けてくるツバメたちに耐えかねたように、その下にある倉庫の屋根に降り立ちました。ところが、そのカラスに休む間も与えずに、ツバメたちは猛然とカラスのそばを掠めていきます。カラスはいたたまれず飛び上がり、三羽のツバメたちの執拗な攻撃から逃れるために、さらに上昇しました。ツバメを振り切る速さのないカラスは、ともかくこの場を離れようと南西の方角へ向かいました。その間もツバメたちはカラスの周りを彗星のように回りながら追い立てていきます。校舎の陰になりましたが、さすがにカラスは退散したようでした。しかし、殺気立ったツバメたちは、カラスを追い払ったあとも興奮気味に声を荒立てながら戻ってきて、しばらく倉庫の上を飛び回ったのです。

勇猛果敢なツバメの行動でした。

コシアカツバメ…来た!

4月19日の夕方、コシアカツバメの巣のある所へ行ってみました。 まず、巣の下に糞などが落ちていないか探したところ、次の写真の状態が見られました。 (写真1) f:id:akatsukaa:20160518193214j:plain すぐに頭上を見回してみたのですが、姿は確認できませんでした。少し待ってみたものの、巣を出入りする様子も見受けられませんでした。

(写真2) f:id:akatsukaa:20160518192101j:plain でも、巣の下の写真からして、今年もやって来たと思ってよさそうでした。ただし、別の種類の鳥かもしれない、その可能性もこの時点では否定できなかったわけです。

『ツバメの謎―ツバメの繁殖行動は進化する!?』(誠文堂新光社)を読み終えたところでしたので、4月22日だったか、巣の脇の通路で上空を見上げてみると、なんとツバメが数羽、飛んでいるではありませんか。本の中にあったように、本当に近くまで来ていたのです。ツバメの種類はわかりませんでしたが、だんだんと昨年の営巣場所に近づいてきているということを実感しました。自宅近くの駅周辺でも、急にツバメの姿が目に入るようになりました。

そして、5月7日の巣の写真が次のものです。

(写真3) f:id:akatsukaa:20160518193501j:plain 巣の出入り口部分のやや欠けていた部分が修復されています。この巣を利用していることは間違いありません。

ついに5月10日、巣の出入り口で姿を確認しました。撮影目的ではなかったので、カメラを構えるでもなく、あっという間の確認でした。一瞬、ツバメと目が合いました。きらりと光を宿した、以前見覚えのある視線の向け方です。

ただ、100%コシアカツバメかと言われれば、まだ、観察を要する状況にありました。

5月14日、夕方に様子を見に行きました。巣にいるのかどうか、わかりません。他に何個かあるツバメ(Hirundo   rustica,ヒルンド・ルスティカ:ふつうに見かけるツバメのことです)の巣の様子を窺って回った後、またコシアカツバメの巣まで近づいた時、視界の隅にスッーと影が流れました。巣から飛び立っていったのです。

少しその場で待つことにしました。カメラも手にしています。しかし、構えたまま斜め上を向き続けるのは何分も持ちません。やはり三脚が必要だな、と思っていると、音もなく帰って来た(コシアカ)ツバメに気づき、カメラを向けたものの、遅かった……。また出てくるはず、と思い直して、カメラを構えていると、なかなか出てきません。ところが、隙を突くように姿を見せたかと思うと素早く流れるように飛んでいってしまいました。とはいえ、(コシアカ)ツバメが隙を突いてきたわけではありません。こちらがタイミングを計れないだけなのです。数分が経ち、「姿を見ることできたし、今日はあきらめようか」とも思ったのですが、あと5分待ってみよう、それでだめなら引き上げよう、ピントを先に巣に合わせて構図を確認し、来たら構えてすぐにシャッターを押す、そんな風にして待つことにしました。この日は、なんだか感覚的によさそうな気もしていましたし、その時間・その場所の条件も待つにはよかったのです。

壁にもたれ掛かりながら、約5分後、来ました、……ところが巣の奥へ入っていくのが速く、そこへなんと、もう一羽が顔を出したかと思うとあっという間に、飛び立っていきました。残念ながら、写真に姿を捉えられませんでした。とにかく速いのです。こちらの先入観でしょうか、巣の出入り口でいったん、スピードを緩める、あるいは立ち止まり、一拍おいて動くはず、その時がねらい目だと。

ここで見ている限り、本当にあっという間です。でも、ここまでに一つ気づいたことがあります。鳴き声です。姿が現れる少し前に、それらしきものが何度か聴こえるのです。ことばにうまくできませんが、『ツバメの謎』に鳴き声について書かれていたことを思い出し、これはそれかもしれない、次はそれをたよりにして、とにかく影がちらついた時点でシャッターを切ることを考えたのです。 正確な時間は計測していませんでしたが、5~10分の間に出ていくか帰ってくるかをしていましたから、そのくらいを念頭に置きながら待ってみました。

うまい具合にその時間内に鳴き声がし、カメラを構えました。巣へ吸い込まれるような影を感知してシャッターを切りました。そしてまた、巣から影が流れ出た瞬間、シャッターを切りました。そこで驚いたのは、それまで巣の出入り口が向いている方向に帰ってきたり飛び立っていったりしていたものが、こんどは巣から出て左側に向かったのです。その左側下斜め前に私はいましたから、(コシアカ)ツバメの顔を見たのです。瞬間、ストロボの光をもろに浴びせてしまった、との思いも合わせて、きっと「あっ!」と声を上げていたと思います。 その時の写真が次のものです。

(写真4) f:id:akatsukaa:20160518193727j:plain これは、コシアカツバメといっていいでしょうか。自分ではそう思っているのですが。

今回の経験で、一発撮りではなく、連写がいいのだろうと思ったしだいです。

緑地とは何か

今回は法律上の理解をしてみたいと思います。

都市緑地法という法律があります。

条文だけではわかりづらいので、「都市緑地法運用指針」(国土交通省都市局)を見てみました。

「都市緑地法における緑地の定義」というところに、次のようにあります。

都市緑地法(以下「法」という。)第3条第1項において、法における「緑地」の定義を「樹林地、草地、水辺地、岩石地若しくはその状況がこれらに類する土地が、単独で若しくは一体となって、又はこれらと隣接している土地が、これらと一体となって、良好な自然的環境を形成しているもの」と定義しているが、その考え方は次による。なお、これらの定義は平成16年法改正前の都市緑地保全法第2条の2で規定されていた緑地の定義と何ら変わるものではない。

ⅰ 「樹林地」とは、当該土地の大部分について樹木が生育している一団の土地であり、樹林には竹林も含まれるものである。

ⅱ 「草地」とは、当該土地の大部分が草で被われている土地であり、ゴルフ場のような人工草地も含まれる。なお、農地は原則として含まれない。

ⅲ 「水辺地」とは、池沼、河川、海、湖等の水面を含むそれらの周辺地域である。

ⅳ 「岩石地」とは、当該土地の大部分が岩石で被われている土地又は岩石が風化して角礫を多く含んだ状態の土地をいい、具体的には、海浜の岩礁地、溶岩台地等をいう。

ⅴ 「その状況がこれらに類する土地」とは、樹林地、草地、水辺地、岩石地には該当しないが、その景観、立地状況等がこれらに類似しているものであり、具体的には、樹林地に類するものとして屋敷林、庭園、街道の並木等、水辺地に類するものとして湿地帯等、岩石地に類するものとして砂丘地等をいう。なお、農地は原則として含まれない。

ⅵ 「これらに隣接している土地」は、樹林地、草地、水辺地、岩石地等の土地と一体となって良好な自然的環境を形成している土地の範囲をいい、それぞれの地域の土地の状況等を勘案してその範囲が決定される。なお、この隣接地には、緑地に介在する農地も含まれ得る。

とあります。

この中で意外なのは、農地は原則として含まれないということでしょうか。また、水面、岩礁、溶岩台地、砂丘など、植物が生えていない場所も「緑地」としていることです。

以下にあるように、基本計画の対象となる緑地には、農地が例外的に含まれる場合はあっても、原則として農地は含まれないというわけです。基本計画とは、「地域の実情を十分に勘案するとともに、施設の管理者や住民等の協力を得つつ、官民一体となって緑地の保全及び緑化の推進に関する施策や取組を総合的に展開することを目的として、住民に最も身近な地方公共団体である市町村」の「総合的な都市における緑に関するマスタープラン」のことです。

基本計画が対象としている緑地は、都市において「樹林地、草地、水辺地、岩石地若しくはその状況がこれらに類する土地が単独で、若しくは一体となって、又はこれらが隣接している土地がこれらと一体となって良好な自然環境を形成しているもの」であることから、基本計画においては、法に規定されている各種制度のみならず風致地区生産緑地地区、保存樹・保存樹林等都市における緑地の保全に資する施策を広く展開することが望ましい。

なお、基本計画の対象となる緑地には、緑地保全地域及び特別緑地保全地区に含まれる介在農地や生産緑地地区に指定されている農地、市民農園等、良好な都市環境の形成を図る施策(都市環境形成施策)に係る農地が例外的に含まれる場合があるが、原則として農地は含まれない。また、法第4条に規定する基本計画の対象となる緑地の保全及び緑化の推進に関する措置は、都市環境形成施策を除いて、農地法(昭和27年法律第229号)第2条第1項に規定する農地又は採草放牧地を対象としていない。

今回、法律を引っ張り出してきた理由は、以前触れた「緑被率」の割り出しに使われる「緑」には少なくとも、農地や採草放牧地も含まれている点が違っている、そして直接、植物の生えていない水面などが「緑」として計算される点を、まずは指摘しておきたかったからです。

極相林と雑木林

横浜において、時の流れに任せて植物の移り変わりを見守っていくと、自然な植生としてはシイやカシが優占する照葉樹林帯となっていく場所です。この状態を極相(クライマックス)といい、森林はほぼ安定的な時期に入り、通常はそれらの植物の集団として持続していくと見られています。

神奈川県東部にある緑地のうち、おもに樹木からなる緑地を考えてみます。かなり面積の広い規模の大きい所は除きます。面積でいえば1ha以下の小規模な緑地について考えてみましょう。

点在する小規模な樹林地のあり方として、なるべく極相に近い形とするのがいいのか、それともかつて人の手が入っていた二次的な自然として、雑木林のような二次林を再生・維持する形とするのがいいのでしょうか。

私の結論は後者です。

ですので、「磯子高校の森」もその形が適していると考えています。

なぜなら、神奈川県東部に点在する小さな緑地を極相状態にしてしまうと、締め出されてしまう生きものが多くなります。それらの生きものの行き場がありません。結果、死滅します。現在、残ってきているものは別として、これから手を施し、維持・存続させていくのなら、二次林であるべきです。そしてなるべくとびとびでも、生きものの移動できる可能性を考慮した残し方が必要でしょう。

横浜市は丘陵地からなっています。一番高い所でも150m台です。大平山(おおひらやま)の尾根に159.4mの部分があり、大丸山(おおまるやま)が156.8m、その次が円海山(えんかいざん)153.3mです。

磯子高校がある丘も、円海山系の北に位置しています。三浦半島を南北に連なる三浦丘陵の北端にあります。三浦丘陵は北に向けて、多摩丘陵と地形的につながっています。かつての様子を航空写真で見ますと、ちょうどこの地形のつながりと緑地部分などがイルカの姿のように見えました。『多摩・三浦丘陵群』と呼ばれる丘陵と台地をあわせたものです。左横向きで、高尾山や八王子方面からイルカのくちばしや頭、川崎市川崎区辺りが背びれ、三浦半島が腹部や尾になぞることができます。1995年6月に「いるか丘陵」の愛称が誕生したと、NPO法人鶴見川流域ネットワーキングのホームページに書かれています。

先ほどかつての様子と言いましたが、残念ながら現在の画像を見ても、今一つピンときません。それだけ開発が続き進んでいるわけです。しかし、このエリアで自然の保全活動をしている人たちは多いのです。

磯子高校の森は小さいながら、イルカの肉体の一部を構成している細胞群です。イルカを蘇生させるために欠かせないと考えています。